2008年を振りかえてみると、仕事においてもっとも印象に残ったのは、今年の2月に会社のパートナーズカンファレンスで、東京と大阪を合わせて350人の参加者の前で、30分間のプレゼンテーション(プレゼンと略)をしたことです。
このプレゼンのために、私は4か月も準備しました。「プレゼンの準備って、4か月もかかるの?」とあなたが疑問に思うかもしれません。でも、私はそれぐらいの時間をかけて、いろんな準備と練習をしてからこそ、誇りに思うプレゼンができ、会社の中でも高く評価される結果になりました。
まず、そのプレゼンの参加者350人は全員広告代理店またはメディアレップ*(媒体社と広告会社の間に立ち広告枠の販売をする企業)の方々です。当時、オンラインビジネスの世界に入ってまだ2年足らずの私から見て、参加者がプロフェッショナルの集団です。しかも、100%日本人です。彼らを相手に、自分が作ったプレゼン資料にうなづいてもらえるのか・・・と不安いっぱいでした。
次に、このカンファレンスのスピーカー(講演者)のほとんどは会社の取締役や執行役員、またはグループのディレクター(日本企業の部長クラス)かシニアマネジャーでした。自分がスピーカーに選ばれたのも、実は偶然でした。自分の上司(シニアマネジャー)がちょうどその頃産休に入ろうとしていて、お腹がかなり大きくなったこともあり、ステージに上ることに少し躊躇いていました。そんな状況で、資料作成の私が代わりに発表してくれないかという話しになったわけです。先説明したように、最初自分はほかのスピーカーとの距離(役職という面で)を感じ、なかなかOKを言えませんでしたが、上司の「Yiなら絶対できますよ!」の一言で勇気づけられて、「やります!」とこのオファーを受けました。
資料の準備は3か月ぐらいかかって、ネタ探しからデータの整理、分析、ディスカッションなど一通りを経て、やっとプレゼンの1か月前に資料が形になりました。そのあと、数百人の前で日本語で発表するのは今まで経験したことがないので、自分の中ではものすごく緊張感があって、一生懸命プレゼンの姿勢や発音、テンポなどの練習を重ねました。
資料は自分が念入りに作ったこともあり、プレゼンの内容はすんなり頭の中に入っていました。あとは、デモを見せながら、自分の言葉で分かりやすく伝えることです。先輩の同僚、家族、みんな私の練習相手にさせられて、私の日本語を直してくれました。
今考えると、その時自分が本当に「絶対失敗できない!」と必死でしたね。そのモチベーションは、会社の一大イベントでトップクラスのリーダーたちと並んでプレゼンをすること自体に失敗が許されないことと、このようなチャンスは1回しか訪れてこないことを自覚していたからだと思います。
プレゼンの当日、私は予想通りめちゃくちゃ緊張して、自分の番になるまで、何も考えられず、手も足も冷汗で冷たかったです。隣に座っていたプレゼンのベテランの執行役員に、ステージに上ったら上がらないコツを聞いたら、「下に座っている人の頭を全部ジャガイモと考えれば、緊張しなくなります」と心強い言葉をいただきました。
ステージに上がる瞬間がきました。やはり緊張して、音楽より0.5秒早かったことで、イベント会社のスタッフに注意されました。ステージに立った瞬間、緊張のピークに迎えます・・・突然、自分の口から「大家好!」という言葉が飛び出てました。さらに「很高兴大家今天能够来到这里!」という中国語も会場内で響きまわりました。あっ!まさか緊張のあまり中国語でプレゼンをやり通すつもり?!おそらく、下で私のプレゼンを見守っている同僚たちがみんなそう疑いました(実際、事後の会話で半分の人はそう思ったらしいです)。
でも、不思議なことに、この2つの中国語を話した後に、私の沸点に達していた頭がスーッと冷えて、冷静にプレゼン内容に集中できるようになりました。しかも、自分が意識的に、会場全員の「じゃがいも」に目線を配りながら、なるべく笑顔を浮かべるつもり(実際そう見えたかどうかは別として)でゆっくりと話しを進めることができました。
プレゼンが終わって、ステージから降り仲間のグループに戻った時に、みんなの笑顔と拍手からホッとしたとともに、「やったー!」の声を自分の心の中で聞こえました。
数日後、このカンファレンスの各プレゼンのアンケート結果が発表され、6セッションのうち、自分のセッションの点数が一番高かったです!5段階評価のうち、平均4.2でした。
このことは、No pain no gainということを教われ、実際体験してみた一例でしょう。ベテランのスピーカーたちは誰も3か月もかけて資料を作り込み、さらに1か月をかけてプレゼンの練習をするなんかはしませんでした。私は自信がないから、失敗することを心配だから、必死に頑張ってきました。
中国人として、このプレゼンテーションのストーリーは、今までの仕事経験の中で最も誇り高く感じた出来事だったかもしれません。
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